桐生市議会

桐生市議会で、「放射能汚染地域に住む人の血って、ほしいですか」などとツィートした議員が、「公人である市議会議員として全くふさわしくない」などとして除名処分を受けました。確かに、この市議の言動はいささか過激であり、一部の市民の感情を害するような表現が多く見られ、道義的には問題が多いことに違いありません。しかしながら、「除名処分」となると、話は少し変わってきます。「除名」を含む議会の懲罰は、地方自治法に規定があります。懲罰の種類としては、「除名」の他に、「一定期間の出席停止」、「公開の議場における陳謝」、「公開の議場における戒告」があり、いずれも議員定数の8分の1以上の議員の発議により議題となり、「除名」は出席議員の3分の2以上、その他の懲罰は出席議員の過半数の賛成により成立します。今回は「除名」なので、出席議員の3分の2以上が賛成をしたため処分が決定したわけです。問題は、地方自治法は、議員に懲罰を科すことができる場合を2つに限っていること。その1つは、議員が地方自治法や会議規則、委員会に関する条例に違反した場合で、もう1つは、議員が正当な理由なく招集に応じなかったり、会議に欠席したため、議長が特に招状を発しても、なお理由なく出席しない場合です。これらの場合に限り、議会はその議員に懲罰を科することができるわけですが、今回のケースは、議会外で行なったツィート(ツィッターへの投稿)の内容を問題にしたもので、地方自治法や会議規則、委員会に関する条例のいずれに違反する行為ではなく、その議員が議会に正当な理由なく出席しなかったわけでもありません。つまり、地方自治法に定める懲罰の理由を完全に欠いているのです。ある行為が刑法上で有罪とされる条件(構成要件に該当し、違法且つ有責な行為)になぞらえて見ると、「構成要件に該当せず、違法性も存在しない行為」と言えますね。つまり、除名処分された議員が、「お恐れながら」と訴え出れば、除名処分は無効という判決が出る可能性が極めて高いのです。一般的に、裁判所は、議会の懲罰については、議会の自律性を認めて、司法判断をしないことになっていますが、「除名」だけは、当該議員の身分に関わることであり、即ち、議会外の社会との関係性に関わることですから、例外的に司法判断をすることになっています。従って、今回のケースでも、訴訟が提起されれば、十分に処分取消しの判決が期待できるのです。道義的にどうか、ということと、法的にどうか、ということは、全く別次元のことであり、法令に基づいて職務を果たさなければならない議員が、このように感情に流されて、違法な処分を決定することは、許されることではないのです。桐生市議会では、本人を含め2名が退席して20人が記名投票を行ない、18名の賛成、2名の反対で、懲罰動議を可決しました。私と仲の良い西牧秀乗議員は、この理屈をよくわかっていて、ちゃんと反対をしたそうです。


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