菅直人首相と「市民の党」との関係について

最近、菅直人首相の資金管理団体「草志会」から、「市民の党」への政治献金が、いわゆる「拉致問題」と絡められて、政治問題化されています。これは、「よど号グループ」の故田宮高麿氏とその妻森順子被疑者の長男である森大志氏が、今年4月に執行された三鷹市議会議員選挙に、「市民の党」公認で立候補し落選したことから、菅直人首相が、日本人拉致事件を起こした朝鮮民主主義人民共和国と深い関係のある政治団体に、多額の政治献金をした、として、自民党や、一部の右翼的主張を持つ新聞社に攻撃されている事件です。この事件については、菅直人首相側も明解な説明をしておらず、そのことが却って、事態をややこしくしているように思います。私は、社民連時代から菅直人氏を知る一人として、菅直人首相と市民の党との関係について、ここで解説してみたいと思います。そもそも「市民の党」とは、かつて京都大学や法政大学に在籍する学生を中心として結成された「日本学生戦線(日学戦)」というセクトが母体です。このセクトは、当時「アカハタ」という機関紙を発行し、毛沢東主義を標榜して、学生運動を行っていました。その後、この一部が「MPD・平和と民主運動」という運動体を組織し、積極的に、自治体議会へ候補者を擁立し始めました。その頃から、グループのリーダーは、斉藤まさしという人物ですが、この人物が、故田英夫参議院議員の娘婿であったことから、田英夫氏と社会民主連合(社民連)で同僚であった菅直人氏との関係が発生しました。まだ、菅直人氏が国会議員に初当選する前の時期、田英夫氏の紹介で、MPDのグループが、菅直人氏の選挙をボランティアで支援しました。この時、彼らは、いわゆる「アジト」で共同生活をしており、たまたまこの「アジト」を訪ねた菅伸子夫人がその異様さに驚いて、以後、彼らを遠ざけるようになったと言われています。実は、それ以降、25年間にわたり、菅直人氏と「MPD」(後に、新党護憲リベラル→新党平和市民→市民の党と名称を変える)とは、長年対立関係にあったのです。MPDはその後、菅直人氏のお膝元である武蔵野市、小金井市、三鷹市などで市議会議員を当選させ、かつて菅直人氏の選挙を手伝ったという「実績」を強調することにより、菅直人氏人気に便乗して、独自に勢力拡大を図りました。一方、菅直人氏は、社民連党内で、田英夫氏と対立していたこともあって、MPDとは一線を画す姿勢をとり続けました。因みに、私自身、三鷹市議会議員時代(新党さきがけ時代)に、地元におけるある施策課題が理由で、「市民の党」の議員と統一会派を結成したことがありますが、この時は、菅直人氏に呼び出されて叱責を受け、ただちに会派を解消を命じられたぐらいです。これにより、菅直人氏の大地元である武蔵野市では、因縁の土屋正忠市長(当時)との対決図式がある上に、「MPD」グループとのいわば「内ゲバ」が重なって、衆院選では菅直人氏が盤石の強さを誇るものの、武蔵野市長選挙や東京都議会議員選挙(武蔵野市選挙区)では、常に土屋・自民党に負け続けていました。そんな中、2005(平成17)年7月の東京都議会議員選挙を、菅直人氏は民主党代表として迎えることとなりました。さすがに、野党第一党の党首お膝元の都議会議員選挙で候補者を落選させるわけにはいかない、という事情から、菅直人氏は、ついに、「市民の党」と手を組むことを決意、候補者調整を働き掛け、「市民の党」から立候補を予定していた山本ひとみ氏に立候補を断念してもらい、「市民の党」の支援を得ることで、民主党公認の新人候補である松下玲子氏を初当選させることができたのです。これ以降、菅直人氏と「市民の党」とは、武蔵野市で選挙協力を重ねることとなりました。同年9月の衆議院総選挙、同年11月の武蔵野市長選挙、2009(平成21)年7月の都議会議員選挙と選挙協力を重ね、関係性を深めてきました。その延長線上で、同年8月に行われた衆議院総選挙向け、「草志会」から「市民の党」関係団体へ政治献金がなされたというわけです。旧「MPD」は、上述のように「毛沢東主義」を標榜し、中国共産党とも近い関係にあったことから、カンボジアのポル・ポト政権とも深い関係があるとされており、その点では、産経新聞等の指摘はあながち間違っているわけではありません。ただ、朝鮮民主主義人民共和国との直接的な関係は、いままでに確認されておらず、森大志氏が「市民の党」に所属しているという情報も、今回の三鷹市議会議員選挙で森大志氏が立候補するまでは、全く明らかではありませんでした。むしろ、三鷹市議会では、前回2007(平成17)年に民主党公認で初当選した岩見大三氏が、元革マル派・岩見隆夫氏の息子であり、同じく元革マル派全学連委員長で元民主党本部広報担当職員であった岩見一太氏の実弟である、ということの方が、巷間話題になっていたぐらいです。ですから、菅直人氏が「日本人拉致問題」に関与している政治団体と深い関係にある、というとらえ方は、必ずしも正確ではないと、私は思います。



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