「赤富士」

故黒澤明監督の映画「夢」の中に「赤富士」という話があります。この話は、原子力発電所が爆発し、襲いかかる放射性物質から逃げ場を失った大勢の人が海に飛び込んで死んだあと、黒澤明と、発電所関係の男、2人の子どもを守ろうとする母親の3人が、人間の愚かさをののしり、あざける物語です。我が家にある数少ないDVDソフトの1枚なのですが、今回の福島第一原子力発電所事故の結末を暗示しているような気がしてならなかったため、今日、改めて視聴してみました。今回の事故が最悪の結末を迎えるならば、こんなふうになるのだろうか?と思われるような映像だったのですが、驚いたことは、この映画の設定が、6基の原子炉が次々と爆発して、プルトニウム239やストロンチウム90、セシウム137が人々に襲いかかる、というものだったことです。今回事故を起こした福島第一原子力発電所は、まさに映画の設定と同じ6基の原子炉を持っています。あれっ、と思って調べて見ると、国内で6基以上の原子炉を持っているのは、福島第一原子力発電所(6基)と、柏崎刈羽原子力発電所(7基)の2ヶ所のみ。ただし、柏崎刈羽原子力発電所の6号機は1991年着工・1996年運転開始であって、「夢」が公開された1990年当時に6基の原子炉を持っていたのは、福島第一原子力発電所ただひとつだったことがわかりました。私には、この一致は偶然だとは思えません。故黒澤明監督の頭の中には、福島第一原子力発電所がイメージされていたのではないでしょうか。この映画の中で、子どもを守ろうとする母親は、「原発は安全だ。危険なのは操作のミスで、原発そのものに危険はない。絶対にミスは犯さないから、問題はない、ってぬかした奴ら、許せない!あいつらみんな縛り首にしなくちゃ、死んだって死にきれないよ〜!」と叫びます。発電所関係の男は、それを聞いて、「すみません。僕も、その、縛り首の仲間の一人でした。」と頭を下げ、海に身を投じます。まさに、今回の事故の本質を物語るような映画です。ところで、どことは言いませんが、ある民放局では、親会社から出向してきている幹部が、原発事故を解説する解説委員に対して、「絶対に安全だと言え。」と直々に圧力をかけているそうです。政治・経済上の思惑で事実をねじ曲げようとするマスコミは、もはやジャーナリズムの使命を放棄したというしかないと思います。

今回の事故の本質に迫るブログがあります。ぜひ、判断の参考にして下さい、

 「長井健司のビデオカメラとテープを取り戻すために」



calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< November 2019 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

recommend

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM