結局は倫理

私が「倫理」などということは珍しいことです。もちろん「個人」の倫理をとやかく言うわけではありません。「個人」の倫理は、大切なことですが、個人が考えるべきことであり、他人がとやかくいうことではないからです。私が問題にしたいのは、「企業倫理」です。いま、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)参加問題が政治課題になっています。国内の農業振興や、食料自給率の観点で、反対する声が大きいようです。農業自由化は、長年にわたり、日本が海外から求められ続けている課題です。海外諸国の多くは、農業自由化を否定していませんし、自由化しても、一定の食料自給率を確保しています。では、なぜ日本だけが、農業自由化に踏み切れないのでしょうか?農家に責任があるのでしょうか?そんなことはありませんね。農家は、大変厳しい状況の中で限界の努力を続けています。では、誰が悪いのか。突き詰めて考えていくと、結局は、食を扱う産業だということになるのではないかと思います。自分の会社だけ儲かればよい、とばかりに、安全も安心もなげうって、海外の安い食材を買いあさって、価格破壊で目先の利益を追い求める企業がいかに多いことか。牛丼戦争で、品質維持を捨てて、吉野家潰しに走っている某牛めし屋などは、TPP参加で牛肉の関税が撤廃されれば、牛丼戦争に勝てるとばかりの発言をしています。つまり、自社がもうかれば、国内の畜産業や、同業他社がすべて潰れてもよい、という考えなのです。しかし、よく考えてみれば、その恩恵を被るのはたかだか千人ちょっと。つまりは、日本の内需を押し下げるだけの効果しかないわけで、結局は、国内の景気を悪くするだけです。近江商人の経営理念には「三方良し」という言葉があります。「売り手よし、買い手よし、世間よし」、つまり、取引の当事者だけでなく、周辺社会にもプラスになるような商売でなければ、結局のところ成功しない、という教訓です。これが、究極の「企業倫理」ではないかと思います。某牛めし屋のように、自分の会社さえもうかれば、日本社会がどうなってもよい、というような経営をする企業が、結局は、日本全体を窮地に追い込んでいるのではないでしょうか。



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