鉄ヲタ
最近、鉄ヲタ(鉄道オタク)と呼ばれる人たちが、いろいろと問題になっています。立ち入り禁止の鉄道敷地内に入って写真撮影をして摘発されたり、車輛の部品を盗んだり。直近の報道では、JR中央線を走る201系電車の最終の定時運行時に、プラットホームの柵によじ登って写真撮影をしたり、夜ということで、プラットホーム上でストロボを発光して写真撮影をする鉄道オタクが続出し、乗務員に叱られるといった事件が発生しているようです。そう言えば、ここ数週間は、JR中央線の列車に乗ると、あちこちの駅のプラットホームの端で、三脚を立てて写真を撮っている鉄道オタクが数多く見られ、写真撮影のために、併走する中央総武緩行線の列車の発車間際に、カメラを抱えて駆け込み乗車をするオタクにも、度々遭遇しました。はっきり言って迷惑ですね。実は、私は、中央大学在籍時、中央大学鉄道研究会に在籍していました。特に鉄道マニアというわけではなく、別に体育会の弓道部にも入部していたのですが、たまたま私が卒業した高校の先輩が鉄道研究会におられたため、その縁で私も入会したのです(私の出身校の洛星高等学校から中央大学に進学する生徒は、毎年4〜5人しかいなかったのです)。中大鉄研は、鉄道写真の大家・廣田尚敬さんを輩出した伝統あるサークルで、卒業生の多くが鉄道会社に就職しています。それだけに、マナーには大変うるさく、鉄道写真を撮影する際には、運行の安全を妨害しないため絶対にストロボは使用しない、乗客に迷惑をかける駅のプラットホームでの撮影は原則として避ける、線路内には絶対に入らない、鉄道会社や乗客に迷惑をかけない、といったことをたたき込まれました。中大鉄研では、年に2回、鉄道写真展を開催していたのですが、プラットホームから撮影した写真は「駅撮り(えきどり)」と呼ばれて軽蔑され、出展を認められないことが多かったように記憶しています。そして、自分たちは「ファン」であって「マニア」ではない、ということを誇りとしていました。他人に迷惑をかけるような行為をするのは「ファン」の風上に置けない、ということです。節度を守り、社会に迷惑をかけないことこそが、その対象を愛する人の資格です。最近の「鉄道オタク」の暴走は、全く嘆かわしい限りです。