松島みどり氏、小渕優子氏の問題について(その2)

 少し間が開きましたが、前回に引き続き、「政治と金」の話を続けます。

2.小渕優子氏の「観劇会」事件について
 この事件は、小渕優子氏の後援会である「小渕優子後援会」と、「自由民主党群馬県ふるさと振興支部」とが共催した東京・明治座に於ける「観劇会」について、2009(平成21)年度から2011(平成23)年度までの3年間の「政治資金収支報告書」で、参加者から徴収した参加費収入と、明治座に支払った代金支出との間に大きな食い違いがあり、2012(平成24)年度には、「観劇会」は開催されたものの、どの政治団体の収支報告書にも、その収入と支出とが一切記載されていなかったというものです。その後の報道では、2008(平成20)年度には小渕優子氏が代表を務める自由民主党小選挙区支部の「自由民主党群馬県第五選挙区支部」と、小渕優子氏の資金管理団体である「未来産業研究会」から、2009(平成21)年度には「未来産業研究会」から、それぞれ支出があったとされ、この差額の合計金額である約5,500万円分が、有権者に対する「利益供与」にあたるのではないか、という疑惑が持たれています。
 さて、まず整理しなければならないのは、小渕優子氏を巡る政治団体についてです。特定の衆議院議員(小選挙区選出)に関係する政治団体は、一般的には、資金管理団体である政治団体、後援会である政治団体、所属する政党の小選挙区支部の3つが存在するケースが多いと思われます。このうちの資金管理団体とは、当該政治家本人を代表者とする政治団体の一つを指定するものであり、政治家本人の政治活動に関する政治資金を取り扱わせる団体を指します。何人であっても、政治団体に対して寄附をする場合は、一つの政治団体に対しては年間150万円以内に制限されています。そのため、政治家が自己の後援団体に自己資金を入金する場合でも、年間150万円以内という制限が適用されます。また、政治家は、選挙前の一定期間(当該公職の任期満了の日の6か月前以降、又は衆議院解散の日の翌日以降、投票日までの間)、自己の後援団体に自己資金を入金することは禁止されています。しかし、これは、実情として非常に不便であるため、資金管理団体の指定をした政治団体についてのみ、これらの制限が外されるのです(ただし、個人が政治団体に対して1年間にすることができる寄附の総額は、政党への寄附を除き、政治家であっても1,000万円以内とされています。)。
 また、現在は、企業や労働組合等の団体からの寄附は、政党に対するものを除いて、認められていません。そのため、企業や団体からの寄附の受け皿として、政党の支部が利用されます。小選挙区から立候補する衆議院議員の候補者の場合は、その小選挙区の区域を単位とする支部を作ることが一般的です。どのような単位で支部を設立するかは、政党によって考え方が異なる模様です。因みに、私がかつて所属していた民主党では、党公認の国会議員(現職)及びその立候補予定者の選挙区と、党公認の都道府県議会議員(現職)の存在する区市町村にのみ、正式な支部の設立を認めていました。それに対して、自由民主党などは、もう少し弾力的な対応をしているようです。小渕優子氏の場合は、資金管理団体が「未来産業研究会」、後援会が「小渕優子後援会」、政党の小選挙区支部が「自由民主党群馬県第五選挙区支部」となっています。そして、それとは別に、小渕優子氏に関連する政党支部として「自由民主党群馬県ふるさと振興支部」が存在し、これら4つの政治団体が連携して小渕優子氏の政治活動を支えています。
 さて、今回は、これら4つの政治団体が、地元の支援者を対象とし明治座を借り切って開催した観劇会に関して、参加者から徴収した参加費として計上した収入の総額を、実際に明治座に支払った代金として計上した支出の総額が、合計で約5,500万円も上回った、とされています。もしそれが事実であるならば、参加者が本来支払うべき代金よりも少ない金額で観劇したということになり、その差額が、小渕優子陣営から有権者への「利益供与」に当たる恐れがあります。「事情通」と呼ばれる人の間からは、観劇会を企画したものの思うように参加者が集まらず、世襲三代目の小渕優子に恥をかかせないために、事務所が金を出して、各種業界に動員をかけただけ、とか、明治座の貸切条件を参加希望者だけでは充たせなかったため、差額を事務所で穴埋めしたのだ、といった解説がなされたりもしていますが、それにしても、実際の参加者である有権者が、明治座を貸切状態で観劇するということに要した費用の全額を負担していないのであれば、やはり「利益供与」を受けたと言わざるを得ません。
 さらに、この「観劇会」だけでなく、野球の観戦チケット代とか、贈答用ワインの代金、選挙区内の有権者への名入りカレンダーの配布といった支出もあるということで、こうなれば、もはや逃げられないと思います。小渕優子氏の選挙区は、父小渕恵三氏の中選挙区時代は、福田赳夫氏、中曽根康弘氏と、自民党内の有力議員がそろって「上州戦争(福中戦争)」と呼ばれたわが国でも有数の超激戦区であり、選挙違反を誘発しやすい土地柄でもあります。そういったこともあって、有権者への「サービス」が過熱したのではないかと思います。そのことは、事件のきっかけとなった政治資金収支報告書の作成担当者が、父小渕恵三氏時代からのベテラン秘書だったということを見ても推測できます。今回のように、イベントの支出が、参加料収入を大幅に上回ることが、公職選挙法違反に問われる可能性が高いことは、政治に関わっている人間にとっては、「イロハのイ」であり、気づかないはずがありません。しかも、正直な話、現在の政治資金規正法は全くのザル法ですから、現金で支払った参加者が多かったことにして、収入を水増ししてしまえば、収支報告書上問題になることは絶対にないのです(もちろん、犯罪行為ではありますよ。)。ですから、少しでも問題意識があれば、完全に隠すことができた事件なのです。それにもかかわらず、ある意味「馬鹿正直」に収支報告書を作ってしまったということは、いかに、小渕優子事務所のスタッフが選挙違反に慣れきってしまっていたか、ということを雄弁に物語っているのです。
 一部には、小渕優子氏が、原発の老朽炉の廃止判断を電力会社に求めたので、「原子力ムラ」によって排除された、などという人もいるようですが、それとこれとは、全く別の話だと思います。小渕優子氏は、「ゼロから出直す」と言っているようですが、この事件は、検察や裁判所がちゃんと仕事をすれば、間違いなく、議員失職と5年間の立候補禁止に該当する犯罪であり、本来であれば、小渕優子氏の政治生命の終わりとなるはずです。
 なお、この事件に関連して、国会議員関係政治団体の収支報告に係る監査のあり方が問題となっています。現在、国会議員関係政治団体が政治資金収支報告書を提出するにあたっては、政治資金適正化委員会が行なう政治資金監査に関する研修を修了し、登録政治資金監査人として登録された弁護士、公認会計士、又は税理士の監査を受けることが義務づけられています。しかしながら、この監査は、あくまでも、
1.会計帳簿、明細書、領収書等、領収書等を徴し難かつた支出の明細書等及び振込明細書が保存されていること。
2.会計帳簿には当該国会議員関係政治団体に係るその年における支出の状況が記載されており、かつ、当該国会議員関係政治団体の会計責任者が当該会計帳簿を備えていること。
3.政治資金収支報告書は、会計帳簿、明細書、領収書等、領収書等を徴し難かつた支出の明細書等及び振込明細書に基づいて支出の状況が表示されていること。
4.領収書等を徴し難かつた支出の明細書等は、会計帳簿に基づいて記載されていること。
についてだけ行なわれ、所定の研修もわずか3時間という短いものであるため、政治資金の取扱いが、公職選挙法や政治資金規正法に照らして適正であったかどうかまでをチェックするものではありません。特に、公認会計士さんや税理士さんについては、通常取り扱われている企業会計とは、そもそも会計の構造が違うということもあって、却って戸惑われることも多いようです。やはり、このあたりについても、実際に政治の現場に精通した者、例えば我々のように、政治団体や選挙の実務に精通した行政書士が、内容までチェックするような監査にする必要があるのではないかと思います。

松島みどり氏、小渕優子氏の問題について(その1)

「政治とカネ」の問題で、松島みどり氏と小渕優子氏が、閣僚を辞任しました。この事件については、巷間、非難する人、擁護する人、はたまた、松島みどり氏を国会で追及した民主党の蓮舫氏を非難する人、様々な意見が飛び交っており、かなり情報が混乱しているようです。私は、「行政書士資格を持つ選挙コンサルタント」として、各級選挙の支援や、政治資金収支報告書の作成・提出にプロとして関わっています。その立場から、今回の一連の事件について、いったい何が問題なのかを、整理して解説しておきたいと思います。
 
1.松島みどり前法務大臣の「うちわ」事件について
 この事件は、松島みどり氏が、選挙区内で開催された地域の夏祭り会場で、不特定多数の参加者に対して、自分の似顔絵や氏名を大書し「討議資料」と表示した「うちわ」を配布した行為が、公職選挙法第199条の2第1項で禁じられている「選挙区内にある者に対する寄附」に当たるのではないか、というものであり、10月7日の参院予算委員会で、民主党の蓮舫氏が指摘しました。
 この指摘に対し、松島みどり氏は、「うちわのような形をしているが、『討議資料』として配ったものであり問題はない。」という趣旨の反論をしました。
 その後、ネット上などで、蓮舫氏が自らの選挙運動期間中に「選挙運動用ビラ(法定ビラ・証紙ビラ)」として配布したやや厚い紙に指を入れる穴を開けて「うちわ」としても使える形状をした印刷物をとりあげ、「自分だって同じことをやっているではないか。」とか「民主党お得意のブーメランだ。」と、追及した蓮舫氏の側を非難する声が挙がり、「みんながやっているのに、松島みどり氏はかわいそうだ。」とか、「安価なうちわを配ったぐらいのことを追及している暇があれば、政策論争をしろ。」、「この程度の軽微な違反をいちいち検察に刑事告発すると、民主党自身を攻撃するのにその手が使われる。」といった論評まで出てきました。

 この話は、いくつかの論点と誤解が入り混じって混乱しています。まず、最初の論点は、
‐湘腓澆匹蟷瓩痢屬Δ舛錙彷柯曚牢麌蹐謀たるか
という点です。
 松島みどり氏が配布した「うちわ」は、丸い厚紙に柄が取り付けられたものであり、一目瞭然、正真正銘の「うちわ」です。当然、その作成には費用がかかっていますし(政治資金収支報告書によれば単価80円だそうです)、デザインはともかくとして、通常は有償で販売されているものですから、「有価物」であることも間違いないでしょう。企業が「販促グッズ」として無料で配布することも多いですが、偶然そういったものを貰えなかった人が、「うちわ」を使いたいと思ったら、お店で買うわけですから、「当たり前にタダで貰えるもの」ではありません。そう考えると、公職選挙法第199条の2第1項で禁止される「選挙区内にある者に対する寄附」であることは間違いないと思われます。ただし、この条項が適用されて罰せられるためには、「通常一般の社交の程度を超え(公職選挙法第249条の2第3項)」ることが必要とされています。この条件は、寄附をした相手方との(従来の)交際の状況等に照らして判断されるものとされるため(最高裁判例)、裁判所の判断が必要となってきます。しかしながら、今回は、日常的に交際していない「不特定多数」に配布したわけですから、ハードルは極めて低いと考えられます。
 なお、ここで言われている「選挙区内にある者に対する寄附」というのは、わかりやすく言うと、金品を使った「単純買収」です。「買収」というのは、文字通り、「お金や品物で票を買う行為」であり、選挙運動の中でも最も「古典的」な違反であって、最近はほとんど見られなくなって来ています。

 そこで、出て来る次の論点は、
⊂湘腓澆匹蟷瓩主張するように「討議資料」だったら配布できるか
という点です。
 政治の世界において「討議資料」と言う場合、それは、後援組織の内部的な政策討議のための資料を意味し、表紙に「討議資料」とか「部内資料」といった表示がなされているのが一般的です。俗に「リーフレット」と称されるものです。通常、選挙運動期間中に配布することが認められたごく一部の文書を除き、選挙に立候補しようとする者(政治家)の名前を大書し、大きな顔写真や似顔絵、プロフィール、政策等を掲載した文書を、選挙運動期間外に不特定多数の有権者に対して配布する行為は、公職選挙法第239条第1項第1号で禁止される「事前運動」に該当する文書図画違反だとされています。しかしながら、そもそもその政治家を支援する後援組織に入っている会員が政策内容を討議するために用いる「内部的な資料」である限りにおいては、この種の文書は違反としては扱われていません。また、後援組織への入会を前向きに考えている有権者が政策やプロフィールを検討する材料として用いることについても、事実上黙認されています。つまり、「討議資料」とは、あくまでも後援組織の部内資料としてのみ存在が認められている(黙認されている)存在であるため、それを不特定多数に配布することはできないということなのです。
 よく、選挙に詳しいという人が、「討議資料」と表示しておけば何を配っても捕まらない、という説明をすることがあります。「選挙プランナー」や政治家本人でも、そのように言う人が大変多いようです。しかし、それは大きな間違いです。この種の文書図画違反については、「討議資料」という表示の有無で違法性が判断されるわけではなく、その文書全体を見て、実態として「事前運動」にあたるかどうか、「売名行為」にあたるかどうか、有権者の目にはどのように映るか、ということから、違法性の有無が判断されるのです。ですから、「討議資料」という表示には、法的な効力は何一つありません。ただ一つだけメリットがあるとすれば、後援会の会員以外にこの種の文書をわたしてしまい、それが警察に持ち込まれて、刑事から事情を聴かれた時に、「この文書は、『討議資料』という表示を見ていただければわかるように、後援会員以外にはわたしていません。もし後援会員以外の人が持っていたとすれば、元々持っていた後援会員が勝手に第三者にわたしたか、それとも、何者かが悪意で持ち出してばらまいたに違いありません。」といった言い訳をする「ネタ」になる、というだけのことです。簡単に言うと、文書に「討議資料」と表示することは、「この文書は不特定多数には配布しません」と宣言することを意味する、ということです。松島みどり氏は、「討議資料」が法的にどのような意味を持つのか、を全く理解していないものと思われます。
 なお、「討議資料」と「選挙区内にある者に対する寄附」との関係で言えば、かつて現在ほど印刷費が安くなる前は、厚い紙を使ってカラー印刷をするリーフレットの単価が1枚30円程度したことから「有価物」と見なされていて、リーフレット形状の「討議資料」を不特定多数に配布することは、「事前運動」である以前に「有価物」による「買収」だと判断されていました。その歴史的経緯から見ても、「討議資料」だから「うちわ」を配ってもよい、という松島みどり氏の理解が間違っていることは明らかだと思います。
 この,鉢△鬚読みいただくとわかるように、松島みどり氏の行為は、どう言い訳しても、公職選挙法に抵触する行為であると言わざるを得ないのです。

 今回の事件の構造は、実はこれだけであり、非常に単純なものです。ところが、公職選挙法の知識のない人たちが、聞きかじりの中途半端な知識を振り回したことによって、世間の論調が混乱しています。それが、国会で追及した民主党の蓮舫氏も「うちわ」を配っていたではないか、というものです。これについても、論点がいくつか存在します。まずは、
O∞峪瓩配布していたものは、どのような位置づけの文書か
という点です。
 この文書に印刷されていた内容は、松島みどり氏の「うちわ」に印刷されていたものと、大差ありません。それでは、松島みどり氏と同様に、少なくとも「事前運動」にあたる「文書図画違反」ではないか、と思われるかもしれません。しかしながら、蓮舫氏の文書には、「証紙」が貼付されていました。この「証紙」は、衆参両院の議員選挙と、都道府県知事や区市町村長の選挙で配布が認められている「選挙運動用ビラ」に貼付されるものです。つまり、蓮舫氏の文書は、選挙運動期間中に配布された「選挙運動用ビラ」であることがわかりますから、松島みどり氏の「うちわ」とは異なり、「事前運動」には当たりません。
 この「選挙運動用ビラ」というのは、選挙が公示・告示され、立候補届が受理されてから、投票日前日の夜24時までの間に限って、公職選挙法第142条第1項において配布を認められているビラのことであり、ビラの規格や種類、枚数、配布方法について、次のような制限があります。また、いずれも、事前に選挙管理委員会に届け出て許可を受け、交付された「証紙」を1枚ずつ貼付する必要があります。「証紙」には、規定の枚数以内であることを示す意味があります。
  イ)ビラの規格:A4判以内の大きさで形状、紙質は自由。
          ただし、1枚ものに限り、冊子は不可。
  ロ)種類:2種類以内。
  ハ)枚数:選挙の種類、選挙区の大きさによって異なるが、
       いずれの場合も2種類を通した枚数。
        衆議院議員(小選挙区) :7万枚以内。
        参議院議員(比例代表区):25万枚以内。
        参議院議員(選挙区)  :選挙区の大きさにより10万枚以内〜30万枚以内。
        都道府県知事      :選挙区の大きさにより10万枚以内〜30万枚以内。
        政令指定都市の長    :7万枚以内。
        一般市の長       :1万6千枚以内。
        町村の長        :5千枚以内。
  ニ)配布方法:選挙事務所内での配布、個人演説会場内での配布、
         街頭演説の声の届く範囲での配布、新聞折込みに限る。
         街頭演説をしていない街頭での配布やポスティングはできない。
 このように、非常に限られた期間に、限られた方法で配布される、限られた種類のビラ、ということになり、政治家の配布する文書としては、極めて例外的な存在です。
 そうなると、次に出て来る論点は、
は∞峪瓩配布した文書は、「有価物」である「うちわ」ではないのか
という点です。
 確かに、蓮舫氏が配布した文書は、厚紙でできており、指を通す「穴」が開けられていて、「うちわ」として利用することが可能です。しかし、松島みどり氏が配布した「うちわ」のように、柄がつけられているわけではなく、単に「穴」が開けられた紙であるに過ぎず、上述の「選挙運動用ビラ」の規格に合致しています。もちろん、作成費用は松島みどり氏の「うちわ」と比べると遙かに安価であり、仮に1万枚作成すると作成単価は20円を下回ります。つまり、「有価物」とは認められないというわけです。なお、この種のビラについては、日本で最も有名な選挙プランナーである三浦博史さんが、総務省や各地の選挙管理委員会と協議を重ねた上で考案され、「実用新案登録」も受けられています。従って、選挙運動期間中の「選挙運動用ビラ」として所定の手続きを取った場合に限り、全くの合法文書であり、蓮舫氏に問題はありません。

 なお、上述のように、「みんながやっているのに、松島みどり氏はかわいそうだ。」とか、「安価なうちわを配ったぐらいのことを追及している暇があれば、政策論争をしろ。」、「この程度の軽微な違反をいちいち検察に刑事告発すると、民主党自身を攻撃するのにその手が使われる。」という批判をする人が多いようです。しかし、プロとしてはっきり言いますが、「みんながやっていること」ではありません。確かに、松島みどり氏以外でも、同様の「うちわ」を配っている政治家は実在するようです。しかし、公職選挙法の規定を理解していれば、この種の「うちわ」は違反になる可能性が高いということは、すぐにわかるわけであり、よほど法制度を理解していないか、理解していても「これぐらい大丈夫」と舐めている陣営以外は、こんな「うちわ」は配りません。つまり、「みんながやっている」のではなく、「ほとんど誰もやっていない」のです。また、刑事告発の前例を作ると政権側が民主党封じに利用する、という批判も当たっていません。なぜなら、非自民系の陣営の場合は、既に厳しく取り締まられており、自民系だけが「お目こぼし」されているからです。これは、私が、元々は社会民主連合という小さな政党公認で政治家人生をスタートさせ、その後、新党さきがけ、民主党と、一貫して非自民系の政党に属してきた中でかかわった選挙の経験と、その後、日野町長選挙に自民党推薦で立候補した際の経験とを比較しても、明らかです。なんせ、三鷹市議会議員選挙に社会民主連合公認で初めて立候補した時は、選挙事務所の正面に、毎日夕方になると白黒パトカーが横付けされ、警察官からずっと監視されていたのに対し、日野町長選挙の時は、辻立ちしていると、パトロール中の白黒パトカーの中から、警察官がにこやかに手を振ってきたものです。このエピソード一つとっても、取締当局が、現場でどのような対応をとっているかは、明らかだと思います。それを考えると、「刑事告発したら逆に不利になる」という考え方も間違いであるとわかるでしょう。
(その2に続く)
 
 

民主分裂

いよいよ民主党が分裂するようです。マニフェストをどう捉えるかという観点から考えると小沢一郎氏の主張に一理あるようにも思えますが、そもそも、旧自民党の悪い部分(利権構造)を引きずっているのが小沢一郎氏であることは間違いありません。そう言えば、かつて、元自民党幹事長の小沢一郎氏らが自民党を離党して「新生党」を結成した際、我々は「シンセイ党」は「真正自民党」の略称ではないのか、と嘲笑していたことを思い出しました。つまり、55年体制下の自民党の悪い部分(エッセンス)を持って出たのが小沢一郎氏だというわけです。実際、後年「新民主党」で小沢一郎氏らと一緒になった後、政治に対する姿勢のあまりの違いに愕然とした記憶があります。特に、「若手の議員は国会に出席している暇があったら、選挙区を歩け。」という小沢一郎氏の指令に対しては、いったい国会議員の仕事を何と心得ているのか、と憤慨したものです。消費増税の是非という意味では、今の民主党執行部の考え方に大きな問題はありますが、それはともかく、この際、小沢一郎氏のグループを民主党から追い出すことで、もう一度、永田町のあり方を整理することには、大きな意味があると思います。単なる「選挙互助会」として、政策二の次の寄せ集め政党で二大政党制を目指すのではなく、しっかりと政策で有権者に選択肢を示せる二大政党制を実現すべきだと思います。民主党は、ここは一歩引き下がって、政策的に一致できる政党を築きなおした上で、再度自民党との二大政党制を目指すべきだと思います。金権まみれの小沢一郎氏は、一刻も早く、退場してほしいものです。

消費者相問題

山岡健次消費者問題担当大臣とマルチ商法(ネットワークビジネスとも呼ばれる)との関係が問題になっており、自民党は今国会に問責決議案を提出する方針だそうです。山岡氏は、兼ねてから、いくつかの業界利権に深い関係があると噂されており、特にマルチ商法との関係は、以前、関連企業からの資金提供が問題となって離党・次期出馬辞退に追い込まれた同じ民主党の前田雄吉氏とともに、深かったとも言われています。マルチ商法は、確かにそれ自体は違法とはされておりませんが、構造的に「ネズミ講」とよく似ていて、しばしば同様の大きな消費者被害事件を引き起こしており、そういった意味でも、マルチ商法と関係の深い山岡氏が消費者問題担当大臣として相応しいかどうか、ということについては、大いに疑問があります。しかしながら、一方で、2年前まで政権党であった自民党が、そのことについて問責決議案を提出する、というのは全くの筋違いだと思います。マルチ商法は、40年ほど前から繰り返し社会問題化しており、それが「違法化」されず放置されてきたことは、その間ほぼ一貫して政権与党であった自民党の責任が最も大きいはずです。それを棚に上げて、山岡氏の責任追及を行うのは、どう考えても、単なる「党利党略」としか言いようがありません。自民党は、TPP問題に対する対応でも、経団連会長から「自民党が今度、選挙で復権した場合でも、今やっていることが足かせになったら、もっともっと困るでしょう」(テレビ朝日報道による)と批判されていますが、このような「党利党略」で「ちぐはぐ」な行動ばかり繰り返していると、いつまでたっても、政権奪回は覚束ないのではないでしょうか。民主党は、野党時代に言っていたことと、与党になってからやっていることが全く異なっているために、有権者の信頼を完全に失ってしまいましたが、これでは、自民党も同じことだと思います。


何様?

約1ヶ月ぶりの更新になります。実は、日常的に使用するブラウザ(インターネット閲覧ソフト)を、インターネット・エクスプローラからグーグル・クロームに替えたのですが、このブログがクーグル・クロームに対応していないため、どうしても更新が滞りがちになってしまうのです。
言い訳はさておき、新聞報道によると、東国原前宮崎県知事が、講演で、知事在職当時、秘書課長から昼食の注文を聞かれ、「マック(マクドナルド)」と答えたところ、昼食時に1時間前に買って冷めたハンバーガーが供されたことを例に出して、これが「お役所の発想」と批判したそうです。一見、市民の視線を代弁しているように聞こえますが、よく考えるととんでもないことです。出前のある飲食店とは異なり、マクドナルドは東京都内の一部店舗を除いて配達はしません。つまり、知事がマクドナルドのハンバーガーを出せと命令すれば、県の職員が、わざわざ県庁の外にあるマクドナルドの店舗まで、ハンバーガーを買いに行かねばならないわけです。知事がマクドナルドのハンバーガーを注文するということは、当然、来客と食事をとりながら応接するという公務ではないと思われますから(それなら自動的に弁当が出ます)、この場合、東国原氏は、税金で雇用されている県の職員に私用を言いつけていることになりますね。それだけでも問題があるのに、それが冷めていたからといって批判するのは、いったいどういう神経でしょうか。自分の立場がわかっていなかった、という外ないと思います。「何様のつもりか?」と言いたくなりますね。このような認識の人を、まるで地方自治の第一人者のようにもてはやすマスコミもどうか、という気になります。本当に市民の立場にたっているなら、自分でハンバーガーを買いに行くべきでしょう。


無礼

参議院議員の平山誠氏が、臨時国会の開会式の際に天皇を携帯電話で撮影したとして自民党が騒ぎ、マスコミを賑わしています。また、天皇がモーニングを着ているのに、議員がノーネクタイなのは無礼だと、これまた自民党が騒ぎ、衆参両院の議院運営委員会理事会は、天皇が出席する国会の開会式では、議員はネクタイを着用するという申し合わせをしました。携帯電話のカメラ機能で天皇を撮影して、何が問題なのでしょうか?また、天皇がモーニングを着ているからといって、議員がクールビズ期間中にノーネクタイでいて、なにが「無礼」なのでしょうか?「主権在民」のわが国で、こんなことを言っている自民党は、はっきりいって100年遅れています。このように、天皇を特別扱いすることは、彼らの心の底にある「差別意識」の表れです。わが国における、あらゆる「差別構造」の頂点に立つのが天皇である、という社会構造は、これまで多くの研究者によって明らかにされてきました。日本人は、天皇との距離で「貴賤・上下」のモノサシをつくり、それに自分の位置を当てはめて、崇めるか、蔑むかを決めてきました。部落差別は、まさに、天皇崇拝の裏返しだったわけです。わが国は、かつては、人の「死」にまで差別を持ち込みました。マスコミは、昭和天皇の死を「崩御(ほうぎょ)」と報じました。おそらく、多くの皆さんは、天皇の死を「崩御」と書くことを単に一種の「教養・礼儀」のように思っていらっしゃるでしょう。しかし事実はそうではありません。実は、天皇、皇后、太上天皇、法皇、皇太后、太皇太后の死を「崩御」、皇太子、大臣の死を「薨御(こうぎょ)」、皇太子妃、親王、内親王、大臣を除く従三位以上の官人の死を「薨去(こうきょ)」、王、女王、正四位上〜従五位下の官人の死を「卒去(しゅっきょ・そっきょ)」、正六位上以下の官人の死を「死去」と称すると飛鳥時代!に「喪葬令」という法で定められていたのです。身分によって、用語まで使い分けさせるという、これはまさに「差別表現」ですが、「崩御」はその生き残りなのです。「陛下」や「殿下」、「閣下」も、法の定めこそありませんが同様の「差別表現」です。「陛下」は天皇、皇后、太上天皇、法皇、皇太后、太皇太后に、「殿下」はその他の皇族と摂政・関白・将軍に、「閣下」は高位高官の官人に、それぞれ用いたわけですが、これらも身分の違いを表すために用いる表現であり、「身分差別」が根底にあります。民主主義の日本に、このような「差別表現」が生き残っていること自体が問題なのに、主権の存する国民の代表たる国会議員に対して、「天皇に無礼だ」などというのは、時代錯誤も甚だしいという他ありません。そもそも天皇の地位は、「主権の存する日本国民の総意に基づく(日本国憲法)」のであり、国民はその地位を取り上げる権限さえ持っているのです。天皇がモーニングを着て国会の開会式に臨むのは、主権の存する国民の代表に対して、天皇の側が敬意を表していると見るべきでしょう。天皇に対してはネクタイをしめろ、国会審議はクールビズでよい、というのは、まさに、憲法の精神を踏みにじり、国民を軽視していることに他なりません。


みんなで決めよう「原発」国民投票 セミナーのお知らせ

【みんなで決めよう「原発」国民投票】セミナー

◆座談会:
「原発」国民投票、やるべし、やれるよ、やりましょう!

日時:8月27日(土)12:30〜
場所:水道橋のYMCAアジア青少年センターYスペース。
http://www.ymcajapan.org/ayc/jp/hotel/hotelindex.htm
出演:飯田哲也×杉田敦×マエキタミヤコ×宮台真司 (コーディネーター:今井一)

5人の呼びかけ人が、
なぜ「原発」国民投票をすすめるのか
「原発」国民投票の意義は何なのか
ほんとにやれるのか
など、縦横無尽に語り合います。

参加費 一般1200円 賛同人・学生500円

※事前の申し込みや予約は不要です。

概要:
【R1】私たちの未来を議員や官僚に委ねてはならない
 ○これまでの政策の決まり方、「原発」利益共同体について
 ○市民たちの無関心や無視はどう機能したのか
 ○政治エリートたちに任せられないのはなぜか
 ○国政選挙で争点化するのではだめなのか

【R2】国民投票=ポピュリズムという批判をどう考えるか
 ○住民投票の経験、諸外国の実践例から言えること
 ○投票までのプロセスをどう意味のあるものにするか
  情報提供、議論・討論の場、熟慮……
 ○「投票して終わり」にならないために、どうするか(責任意識)

【R3】「原発」国民投票は日本社会をどう変えるか?
 ○エネルギーシフトにとっての国民投票の意味
 ○新しいエネルギーと、新しいデモクラシー(自治)
 ○日本のデモクラシーにとっての意味

【R4】国民投票はどうすれば可能か
 ○世論の盛り上がり、法律制定……戦略的な話


菅直人首相と「市民の党」との関係について

最近、菅直人首相の資金管理団体「草志会」から、「市民の党」への政治献金が、いわゆる「拉致問題」と絡められて、政治問題化されています。これは、「よど号グループ」の故田宮高麿氏とその妻森順子被疑者の長男である森大志氏が、今年4月に執行された三鷹市議会議員選挙に、「市民の党」公認で立候補し落選したことから、菅直人首相が、日本人拉致事件を起こした朝鮮民主主義人民共和国と深い関係のある政治団体に、多額の政治献金をした、として、自民党や、一部の右翼的主張を持つ新聞社に攻撃されている事件です。この事件については、菅直人首相側も明解な説明をしておらず、そのことが却って、事態をややこしくしているように思います。私は、社民連時代から菅直人氏を知る一人として、菅直人首相と市民の党との関係について、ここで解説してみたいと思います。そもそも「市民の党」とは、かつて京都大学や法政大学に在籍する学生を中心として結成された「日本学生戦線(日学戦)」というセクトが母体です。このセクトは、当時「アカハタ」という機関紙を発行し、毛沢東主義を標榜して、学生運動を行っていました。その後、この一部が「MPD・平和と民主運動」という運動体を組織し、積極的に、自治体議会へ候補者を擁立し始めました。その頃から、グループのリーダーは、斉藤まさしという人物ですが、この人物が、故田英夫参議院議員の娘婿であったことから、田英夫氏と社会民主連合(社民連)で同僚であった菅直人氏との関係が発生しました。まだ、菅直人氏が国会議員に初当選する前の時期、田英夫氏の紹介で、MPDのグループが、菅直人氏の選挙をボランティアで支援しました。この時、彼らは、いわゆる「アジト」で共同生活をしており、たまたまこの「アジト」を訪ねた菅伸子夫人がその異様さに驚いて、以後、彼らを遠ざけるようになったと言われています。実は、それ以降、25年間にわたり、菅直人氏と「MPD」(後に、新党護憲リベラル→新党平和市民→市民の党と名称を変える)とは、長年対立関係にあったのです。MPDはその後、菅直人氏のお膝元である武蔵野市、小金井市、三鷹市などで市議会議員を当選させ、かつて菅直人氏の選挙を手伝ったという「実績」を強調することにより、菅直人氏人気に便乗して、独自に勢力拡大を図りました。一方、菅直人氏は、社民連党内で、田英夫氏と対立していたこともあって、MPDとは一線を画す姿勢をとり続けました。因みに、私自身、三鷹市議会議員時代(新党さきがけ時代)に、地元におけるある施策課題が理由で、「市民の党」の議員と統一会派を結成したことがありますが、この時は、菅直人氏に呼び出されて叱責を受け、ただちに会派を解消を命じられたぐらいです。これにより、菅直人氏の大地元である武蔵野市では、因縁の土屋正忠市長(当時)との対決図式がある上に、「MPD」グループとのいわば「内ゲバ」が重なって、衆院選では菅直人氏が盤石の強さを誇るものの、武蔵野市長選挙や東京都議会議員選挙(武蔵野市選挙区)では、常に土屋・自民党に負け続けていました。そんな中、2005(平成17)年7月の東京都議会議員選挙を、菅直人氏は民主党代表として迎えることとなりました。さすがに、野党第一党の党首お膝元の都議会議員選挙で候補者を落選させるわけにはいかない、という事情から、菅直人氏は、ついに、「市民の党」と手を組むことを決意、候補者調整を働き掛け、「市民の党」から立候補を予定していた山本ひとみ氏に立候補を断念してもらい、「市民の党」の支援を得ることで、民主党公認の新人候補である松下玲子氏を初当選させることができたのです。これ以降、菅直人氏と「市民の党」とは、武蔵野市で選挙協力を重ねることとなりました。同年9月の衆議院総選挙、同年11月の武蔵野市長選挙、2009(平成21)年7月の都議会議員選挙と選挙協力を重ね、関係性を深めてきました。その延長線上で、同年8月に行われた衆議院総選挙向け、「草志会」から「市民の党」関係団体へ政治献金がなされたというわけです。旧「MPD」は、上述のように「毛沢東主義」を標榜し、中国共産党とも近い関係にあったことから、カンボジアのポル・ポト政権とも深い関係があるとされており、その点では、産経新聞等の指摘はあながち間違っているわけではありません。ただ、朝鮮民主主義人民共和国との直接的な関係は、いままでに確認されておらず、森大志氏が「市民の党」に所属しているという情報も、今回の三鷹市議会議員選挙で森大志氏が立候補するまでは、全く明らかではありませんでした。むしろ、三鷹市議会では、前回2007(平成17)年に民主党公認で初当選した岩見大三氏が、元革マル派・岩見隆夫氏の息子であり、同じく元革マル派全学連委員長で元民主党本部広報担当職員であった岩見一太氏の実弟である、ということの方が、巷間話題になっていたぐらいです。ですから、菅直人氏が「日本人拉致問題」に関与している政治団体と深い関係にある、というとらえ方は、必ずしも正確ではないと、私は思います。


いい加減にしろ

東日本大震災発災から1ヶ月が経過しましたが、福島第一原子力発電所の事故は、未だに収束していません。政府も、与野党の政治家も、専門家も、マスコミも、なんだかもう事態が落ち着いたかのようなムードを醸し出していますが、現場での状況は、むしろ悪化しており、首相官邸内部からの情報によると、復旧作業にあたる現場の作業員の中で、逃亡する人が続出する事態になっているそうです。そんな状況を隠している政府も政府ですが、そんな中で、菅下ろしの大合唱をする野党政治家や、一部与党政治家には、はっきり言って腹が立ちます。私自身、かつての親分である菅直人首相が、全くリーダーとしての役割を果たせていないことについて、いらだっていることは事実です。できるなら、有事に強い誰か他の人に代わってほしいとさえ思っています。しかし、まだまだ状況が悪化している最中での退陣要求は、論外ではないでしょうか。内閣総辞職、首班指名、新内閣組閣、大臣引継ぎで、一体何日政治・行政の空白ができることか。この非常時に、そんなことしか主張できない者は、それこそ政治家失格です。いますぐ、バッジを外してもらいたいものです。そもそも野党自民党の政治家や、自民党から逃げ出した卑怯な政治家は、今回の原子力災害を引き起こした今までの原子力政策を強力に推進してきた張本人ではないですか。お前らには、そもそも物を言う資格はない!もちろん、現与党に属しながらこの機に乗じて反党行動にいそしむ小沢や西岡(議長で離党中ではありますが)は、そもそも自分たちが原発を推進してきた上に、その後始末をしている自党の首相の後ろから鉄砲を撃つ、最低な人格です。ぐちゃぐちゃ言っている暇があったら、さっさと福島第一原発へ行って、ボルトの1本でも緩めて来い!


どっちもどっち

前原外務大臣の後援会が在日韓国人から政治献金を受けていたとして問題になっています。参議院の予算委員会でも指摘されたとおり、政治団体が外国籍の人から政治献金を受け取ることは、「政治資金規正法」により禁止されています。在日朝鮮・韓国人は、歴史的な経緯により日本名を名乗っておられることも多く、その場合は、在日外国人であることに気づかないで政治献金を受けてしまうことも、確かにあります。国籍問題は、ある意味大変デリケートな個人情報なので、明らかに外国籍である、ということがわかっていない場合は、そう簡単に確認できるものではないからです。まずは、この政治資金収支報告書に、この寄附が本名で記載されているのか、日本名で記載されているのか、が問題になります。本名で記載されている場合は、この政治資金収支報告書を作成した会計責任者や事務担当者が、なぜその時点で気づかなかったのか、ということです。法律を知らなかった、ということであれば、あまりにも杜撰ということになります。日本名で記載されている場合は、会計責任者たちはその人物が在日韓国人であることを知らなかった可能性があります。その場合、前原外務大臣はこの人物が在日韓国人であることを認識されていたようなので、この献金の事実をどの時点で知ったのか、ということが問題になるわけです。もし、献金の事実があった時点で知っていれば、前原外務大臣本人の責任が大ということになります。いずれにせよ、大変「脇が甘い」と言わざるを得ず、かつての「偽造メール事件」とあわせ、前原外務大臣の政治家としての資質が問われて然るべきだと思います。ところで、それはそうなのですが、この問題を指摘した自民党の西田昌司参議院議員も、前原外務大臣のことを「国会議員の資格がない」とまで決めつけられる資格はないと思います。西田議員は、「在日の方の場合にはですね、いろんな、選挙運動をしてはいけないとかですね、お金をもらったらいけないとかあるんですけど、」と発言されましたが、「公職選挙法」は、外国人が選挙運動をすること自体を禁止してはいないのです。確かに、外国人が選挙運動をした場合、「出入国管理及び難民認定法」に基づき、「在留許可条件違反」に問われて国外退去処分になる可能性はあります。しかしながら、明文で外国人による選挙運動を禁止する法令はどこにもないのです。偉そうなことを言っている割には、西田議員も、「公職選挙法」や「政治資金規正法」の規定を正確に理解できていないことは明らかです。残念ながら、これが、現在の国会審議のレベルです。


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